最近見た夢

鬱蒼とした森のなかに、一本の線路が通っている。そのうえをとろくさく走る4輌の電車にわたしは乗っていた。夢のなかのわたしも疲れているから、温泉に療養しに行くのだ。やがて終着駅へと着き、「湯」とだけ書かれた暖簾をくぐって、一人温泉に入って、「疲れた、疲れた、疲れた」などと言いながら、お湯から出ると、そこにももクロがいた。彼女たちも温泉に入った後なのか、髪がしっとりと濡れている。「あ、ももクロだ」。わたしに気づき、こちらに目をやると「あ、こんにちは−」「こんにちはー」などと、挨拶をしてくる彼女たちであった。「こんにちは。元気? 突然だけど、食事でもどうですか? ほら、お風呂に入るとけっこうカロリーを消費するから、その埋め合わせが必要なんじゃないかと考えてぼくはそう提案するんだけど。君たちは育ち盛りでもあるだろうし?」「いいですよー」「わーい!」などと言いながら彼女たちは坂道を駆け下りていく。坂道を降りきったあたりには灯りがあり、そこには食事処もあるはずだ。わたしをおいて、だーっと坂道を駆け下りながら玉井詩織という黄がひときわ高く飛び上がり、赤がそれを見て笑っている。「先に行って待ってますよー」と振り向きもせず、だけど腕を振ってわたしへの挨拶を欠かすことなく。わたしも一緒に彼女たちと坂道を駆けたかったが、わたしには彼女たちほどの身体能力はない。10代と30代のあいだにあるもの。おっさんと、少女のあいだにあるもの。それが坂の上にいるわたしと、もうずっと先まで行って姿も見えなくなったももクロとの距離である。「先に行って待ってます」と玉井詩織は言った。しかし、そこは、いったい、どこなのか。彼女たちがずっと、永遠に近い時間待っていたとして、わたしはそこに辿り着くことができるだろうか。

ずいぶんむかしのこと、斎藤美奈子先生が乙武君ってイケメンだし、性格はサッパリしていて明るいし、頭も良いし、彼がいわゆる「障害者」だと見なされたら、他の障害者はしんどいと思うところもあるんじゃねーの(大意)というようなことを書いていたのを思い出した本日。