観た映画

マトリックス 特別版 [DVD]

いまとなっては、人がこの映画の何に熱狂したのかとんと分からぬ。わたしもいちおう、この続編も、最終作も映画館に観に行ったんだけど、何だかなあという印象ではあった。鑑賞中、なんだか手持ち無沙汰だったので、隣にいた知り合いの女の子の手を握ろうとしたらサッと避けられたのも良い思い出である……

勝手にしやがれ!! 脱出計画 [DVD]

勝手にしやがれ!! 黄金計画 [DVD]

勝手にしやがれ!! 英雄計画 [DVD]

どれも一見の価値はあると思うんだけど、とりわけ「黄金計画」がすばらしかった。人がやたら生き生きとしているし、藤谷美紀がラクカラーチャが歌うのもいいし、赤い車の玩具を撮した直後に、本物の車が走るイメージの連鎖もいい。黒沢清の映画では、何かに執着している人間というのは（ふつう死ぬだろうと思える場合でも）なかなか死なないことが多いのだけれど、この映画でもなかなか死なない繰り返し甦る刑事が出現していて、それも嬉しい。で、なかなか死なない連中が死ぬのはトラックに轢かれるときなんだけど、刑事が死ぬのもやはりトラックに轢かれるときで（『ドッペルゲンガー』で、このシーンは再演される）、ああ、黒沢だなあと思ってニヤニヤさせられる。最初から最後まで自由な感じが弾けていて観ていて気分が上がる。

読んだ本

物語 哲学の歴史 - 自分と世界を考えるために (中公新書)

著者が考える哲学の物語＝歴史に沿って、ビッグネームの哲学者のポイントを（いろいろ大きく刈り込みながら）サクッと解説している。物足りなさが残るのは仕方がない――それにわたくしの最近の興味からすると、少しこういう本は外れているというところもある。なかなか良い復習にはなりました。
ところで最近の中公新書はますます快調、飛ばしているっていうか、ほんとおもしろそうで良さそうな本をたくさん出していますね。